藤澤武夫のことば
今年の顔
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(1969.S44.1 社報 藤澤武夫)
まず緒戦が大事、最初の年に相当の打撃を与えないとまずい。しくじるとこの次の機会までにまた何年かかかる。鉄は熱い内にたたけ、商品は人気のあるときが肝心だ。冷たい人気になってからではどんなよい物も受け入れにくい。いつか完成すればよいだろうは駄目である。やるのはそのとき以外ない。絶対に強い、難攻不落だと思っているものへの挑戦だ。いくら知恵と努力を払っても多すぎるということはない。
革命とは、"昨日の常識を破ぶり、新しい常識を作る"ことだと中国の昔の本に書いてあった。何もこれは、政治だけのことではない。
トヨタ、日産は強い、他は駄目だというのが、今の常識である。我われが、この常識を破ぶるのだ。我われは世界に視野を求め、独創性を追求してきたのである。そのためにこそ、人一倍苦しんだのである。独創性こそ革命の母であり、物真似はどんなに成功しているかに見えても、革命とは縁がない。
"こんな考え方で商品を誕生させ"
"こんな型で売る"とは"今までの常識では思いもつかなかった"と言わせたら
"新しい常識を樹立したことになる"
自動車工業の中で、ホンダ以外ないのだ。